MANAGER’S DIARY May 14


PA01062447_mHIROKIM STORE ラッキー店長です。

時折、書いているマネージャー日記。今回はフィリピンパブとショータイムやイベントについて、書いてみたいと思います。

フィリピンパブなどではシーズンごとにいろいろなイベントをやっているところが多くあります。

バレンタインデー、ホワイトデー、ハロウィーン、クリスマスなどの行事イベントに加え、誕生パーティー、コスチュームパーティー(浴衣・水着・セーラー服・Yシャツ・ランジェリー)、ショータイム(シンガー・バンド・ダンス)、ビンゴゲーム、お店のアニバーサリーなど、様々なイベントがあります。

昔はイベントの日だけの価格設定などをしているフィリピンパブ等も多く、はっきり言うと値段の理由がわからないという場合も結構ありました。

結構お店目線での価格設定や、イベントが多いような気がします。今回はそんな最近のショータイムやイベント事情について書いていきます。フィリピンパブにはぜひとも頑張ってほしいと私たちは思っています。

 

お店のイベントの企画力

いまはフィリピンパブも元気を失い、あまり高飛車な価格設定はできなくなってきましたが、どちらかというと何かやればお金が取れるという発想から抜け出せずに今まで続いているような気がします。そのため、イベントにお客さん目線の工夫がないというのが実情です。

たとえばセーラー服コスチュームでイベントをやったとして、それに興味をひかれるお客さんがどれだけいるのかという問題があります。お客さんは男が多いと思います。セーラー服への思い入れを持って、当時を懐かしんで足を運ぶのかと疑問すら浮かびます。

若い女の子が多い店であれば、なんとか見た目成り立つかどうかのギリギリのところという感は否めません。

もしそういったセーラー服を着せるなら、おニャン子クラブのセーラー服を脱がさないでを女の子全員が振付を含めて練習し、お客さんも参加させてステージでみんなで歌って、楽しく昔を懐かしもうとやった方が、格段にお客さんの楽しさも上がります。それなら女の子のダンスの上手さもいりません。

キャッチコピーは「圧巻の総勢20名のおニャン子ピナイのセーラー服を脱がさないで」参加型フィナーレ。なんか楽しそう。

そういった楽しさを生み出す空間づくりを念頭に置かないと、お客さんが楽しめずに帰ってしまい、高いお金だけを払って、いつもと変わらない印象を植え付けてしまいます。次回のイベントに呼ぶことも難しくなってしまいます。

 

ダンスショータイム

ショータイムはお店の在籍の女の子にやらせる場合と、シンガーやダンサーを呼んでやらせる場合があるかと思います。フィリピン人のフリーランスのショーシンガーやバンド、ダンサーなどは日本中にいますので、そういった人を呼んでやることが最近流行っています。

お店の女の子にグループダンスをやらせる場合、もう既にショーとしては成立しなくなってきています。片手間の練習、体の衰え、体型の問題。フィリピンの本場のダンスなどとは間違っても言えない状況になっています。

学校の発表会レベルで、子供や奥さんが発表会に参加するのをお父さんが見守っているような雰囲気。それを売りにするのもいいかもしれませんが、それを集客のネタにはできません。

 

 

それではショーにフリーランスを呼んだ場合はどうでしょう。

多くの場合はお店はただシンガーやバンドを呼んでいる。呼べばいいと思っているのが実情ではないでしょうか。

ダンサー集団などはプロですから、大きなステージがあれば、お客さんを満足させることができます。フィリピンのダンサーも見ているとすごい人たちがいます。ただし人数が多いので呼ぶのにはお金がかかりますし、控室などの場所も必要です。

比較的少額で呼べるのはシンガーやバンドです。ここで気をつけなければならないのは、フリーランスの多くは自分のキャリアのためにあちこち回っています。あそこでもやったことがあるというのが、次の仕事につながります。有名になりたいというのが彼らの願いです。

またシンガーに関して言えば、なんでも歌えるわけではありません。得意ジャンルというのがあります。ロック系の歌を得意としている人と、バラード系の歌を得意としている人。呼ぶ人でショーの内容は180度変わります。

70代以上のおじいちゃんが多く来る店でロックガンガン、これでは、うるさくて隣の女と話したいのに話せません。

ただ歌っているだけで誰も見ない。お客さんはカラオケもできず邪魔なショーと心の中で思っている。「早くショーが終わってカラオケ入れたい。」そんな声も聞こえてきます。

ショーをしているフィリピン人シンガーは自分の歌いたい歌だけを歌い続けて、おれってうまいだろと見せつける。

そんな場面が想像できます。

 

多くのお店側はシンガーを呼べば、イベントのネタになる、それしか考えていません。フィリピンパブにお客さん目線が根付かないのは、古くからそうしていたという習慣が多いかもしれません。

もしフリーランスを呼ぶなら、知っている人を呼ぶのではなく、自分のお店の客層や、いつも入っているカラオケの曲などを見て、そういった層にあうフィリピン人シンガーを呼ぶ方がいいでしょう。そして依頼するときにこの曲は必ず入れてほしいなど、お店のためにショーをするように指示する工夫も重要です。

またフィリピン人シンガーのくせにアメリカかぶれのナンバーばかりを歌うフィリピン人は、はっきり言って意味がありません。だったらアメリカ人シンガーを呼んだ方がいいと思います。

なぜフィリピン人シンガーなのかという理由を彼らは自分たちで壊してしまいます。自分目線で自分がやりたい歌だけをやるからそうなります。実力があるならアメリカに行った方がいい、私はいつもそういうシンガー達に言います。フィリピンの曲を日本人に味わってもらえるというのが、フィリピン人シンガーのひとつの意味です。

フィリピン人シンガーしかできないことをショーとして見せる方が、理にかなっています。また日本の歌や日本人が懐かしいと思うアメリカの歌ぐらいちゃんと勉強して当たり前です。

彼らの意識がそこまでいっていないと、お客さんが楽しめずにお店の利益にもならない。お客さんと一緒にカラオケしてくれるフィリピン人シンガーの方がよっぽどお客さんはうれしいに違いありません。彼らのキャリアのためにお客さんがいるのではないということは、はっきり伝えた方がいいかと思います。

自分で開いたコンサートに来てくれたお客さんであれば話は別ですが、フィリピンパブに呼ばれてショーをするシンガーは、何のために呼ばれたのかということを考えてほしいと思います。

 

バンドを呼ぶなら、お客さんのリクエスト曲を即興で演奏してくれるようなバンドが、より楽しめるでしょう。

 

お客さんがお金を払ってくれる意味、帰った後に楽しんでもらえたのかどうか、そういった目線が今の状況ではもっと大事かもしれません。
以上、最近のお店のイベント・ショータイムについてでした。